看護學講座
「榮養學」(1)
原 實
1
1慶應大學醫學部
pp.71-74
発行日 1946年11月15日
Published Date 1946/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906143
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第1章 榮養概論
食糧の不足した時の吾々の身體は,活動性が鈍くなり,少し活動すれは疲勞し易くなり常に倦怠感につきまとはれてをり,頭腦の働も明敏を缺き記憶力も減退し勝ちのものである事は,吾々が經驗した處である。
斯樣に食糧殊に主食糧の不足は日常生活上活動を阻害し,能率を低下するのみに止まらず,榮養素の總括的不足に起因する種々の疾病例へば榮養失調症の如きに罹り易く,又一般に抵抗力も低下し罹病率も増すのが常である。殊に吾々の惧れるのは結核性疾患の増加する事であつて,之は結核撲滅の主旨から是非食糧増産と榮養智識の普及向上を圖り之を實現し度いものである。
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