特集 臨床にEBNはどう貢献するのか
「根拠に基づいた看護」は可能か
道又 元裕
1
1日本看護協会看護教育研究センター
pp.235-239
発行日 2001年3月1日
Published Date 2001/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906006
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近年,「根拠・証拠に基づく医療」という意味のEBM(Evidence-based Medicine)が,わが国においても広まりつつある.それを受けて,看護領域においても,EBMに追従するかたちでEBN(Evidence-based Nursing)という言葉が誕生した.
しかし,現段階においては医学の領域のように,エビデンスが得られる論文や成書を探索し,その論文の批判的吟味をするといった段階には至っていない.なぜなら,日常行なわれている看護行為は医学の傘下に隠れ,科学的な根拠を見いだせず,また,看護独自の行為として確立できずにきたからである.さらには,看護行為そのものが,定量的に評価できないものを多分に含んでおり,根拠を明らかにすることがたいへん難しかったからでもある.
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