特集 看護評価を問う
看護評価はどのように可能か
吉武 香代子
1
1弘前大学教育学部看護科
pp.123-128
発行日 1976年2月1日
Published Date 1976/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922550
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看護の評価ということが,最近看護界の大きな話題のひとつとなってきている.看護に評価が必要と言われることは,‘看護の独立’と決して無縁ではない.与えられた仕事を,命じられた通りの方法で機械的に繰り返す時,仕事を与える側には与え方をめぐる評価があり,また部下の仕事の遂行状態に対しての評価があるとしても,仕事を与えられる側にとって評価は必ずしも必要ではない.しかし,ひとつの仕事を,自らの意志によって,自ら計画して行う時,実行の後には必ず評価がある.計画の修正によってよりよい内容の仕事,すなわちよりよい看護を目指して次の実行につながっていくからである.
評価とは,一般に目標をもった活動の結果,目標がどれだけ達成されたかをみて,次の活動への改善をはかるために行われるものである.これから論ずる評価は,看護の評価であって,看護婦の評価ではないことをまず明らかにしておきたい.
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