臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集
XI.腎疾患
4.透析患者の合併症対策
透析患者の分娩は可能か
大坪 公子
1
1三軒茶屋病院
pp.2282-2283
発行日 1978年12月5日
Published Date 1978/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208336
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はじめに
透析患者の社会復帰は単に職場に復帰するだけでなく,幸福な家庭を築くことにあり,若い患者にとっては結婚,分娩は切実な問題となっている.一方,透析患者を管理する面からみれば,妊娠,出産は母体に危険が伴うので避けたいところであるが,医学的な面のみでは片づけられない患者側からの出産に対する強い要望があるのも事実である.
原則的には透析患者の妊娠・分娩は避けるように指導すべきであるが,一般に女性透析患者は,月経不順の問題が多く,妊娠しても胎児の発育が遅れるため,妊娠に気づくことが遅い,したがって,母親や家族全員の強い分娩希望がある場合分娩へ向かって万全を期して準備させねばならない.
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