特集 変わる糖尿病患者教育—効果的な心理的アプローチ
心理的アプローチは糖尿病看護に何をもたらすか—看護婦の変容から患者の行動変容へ
河口 てる子
1
1日本赤十字看護大学
pp.353-357
発行日 1999年4月1日
Published Date 1999/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905814
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看護婦の教育的機能への期待
人口の高齢化と豊かな生活は,慢性疾患を急激に増加させた.慢性疾患の多くは生活習慣病とも呼ばれ,それらの疾患を持つ患者と家族には,疾患の自己管理が要求されるようになった.生活習慣病の治療では,薬物療法だけでなく,より健康的な日常生活習慣に変えることが重要なコントロール要素となっている.そのために患者には,疾患と治療の知識に加え,どのような生活習慣が治療に有効であるかを教える人が必要となってきた.
多くの医師は,患者に教えるための時間がないことを自覚しており,かなりの医師はそれを看護婦に期待するようになった.看護婦の専門とするところは,疾患を持つ人の日常生活に関して援助することであり,日常生活面における看護婦の教育的機能が注目を浴びるようになった.もとより看護婦は,患者には食生活や運動などの日常生活習慣に関する教育が必要であることを認識している.そこで看護婦は,可能であれば自分たち看護婦がそれを担いたいと思っている.
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