連載 医療ソーシャルワーカーの働きを検証する・30
患者・家族の態度・行動変容をもたらす心理社会的アプローチ
和田 光徳
1
1市立岸和田市民病院
pp.154-157
発行日 2009年2月1日
Published Date 2009/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101388
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医療ソーシャルワーカー(以下,MSW)の働きの1つに,心理社会的アプローチがある.それは「自己決定」という原則に支配されるが,「自分で決める」ということは,単純な意思表明を意味するものではない.それは,その人が,それまでの周りとの関わりの中で育んだ“こころ”の在りよう(心理)と,「今,ここ」の関わり(社会)の中で,相対的に帰結する過程である.本稿では,表面上,手術を拒否するという意思を表明した2人の患者について,MSWが全く対照的とも見える「関わり方」を行った結果,患者にどのような変化が見られたかを紹介する.さらに在宅ケアへの支援事例について,MSWの心理社会的アプローチの結果,患者・家族の気持ちが変化し,医療を主体的に選択するに至ったケースを提示する.
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