連載 考える
看護すること—てつがく自由自在・1【新連載】
隔たりということ
鷲田 清一
1
,
満田 愛
2
1大阪大学文学部臨床哲学研究室
2大阪大学
pp.69-73
発行日 1999年1月1日
Published Date 1999/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905753
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ひとはだれかを求める
患者さんとの〈距離〉について看護婦さんは日々,思い悩まれることが多いのではないでしょうか.〈距離〉をどのように保つかというのは,これをどのように縮めるかということと並んで,たいへんにむずかしい問題です.わたしも研究・教育の現場に長く身を置いてきたものですから,学生や研究生との距離でいろいろ迷うことがあります.いや,そもそも親子関係ひとつとってもそうなのです.子どもが思春期近くになってくると,こういう〈距離〉のとり方でいろいろ思い悩むことが増えてきます.
さて,ある異性の患者さんにとっての「特別なひと」になってしまう,そのような経験をした看護婦さんもおられるかと思います。
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.