連載 考える
癒しの人間学・1【新連載】
治しと癒し①
竹内 孝仁
1
1日本医科大学リハビリテーション科
pp.76-80
発行日 1999年1月1日
Published Date 1999/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905755
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はじめに
病気をもつ人によく〈治す〉〈治る〉などの言葉が用いられる.その一方で,たとえば癌の末期などにある人にはこのような言葉は使われずに,むしろ〈癒す〉という表現がなされている.ほかにもさまざまな表現,たとえば「ターミナルケア」や「心理的な支え」なども使われるが,ここでは治す以外のことがらを一括して<癒す>と表現しておくことにする.
このように整理してみると,私たちがふだん仕事をしている「病気」(あるいは障害)の世界には,<治し>と<癒し>の2つのアプローチがあるということが感じられる.
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