連載 考える
看護すること—てつがく自由自在・7
逢うということ
満田 愛
1
,
鷲田 清一
2
1大阪大学大学院
2大阪大学大学院文学研究科臨床哲学研究室
pp.663-667
発行日 1999年7月1日
Published Date 1999/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905885
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〈燃えつき〉が起こる理由
看護という職務にかぎりませんが,職務を熱心にこなすがゆえに陥る苦しい状況の一つに,〈燃えつき〉というのがあります.会社の中間管理職の方の過労などもそうでしょうが,仕事を遺漏なくきちんとこなし,周りにもいろいろときめ細かに気を配るひとが,最後に,ぷつんと糸が切れたように何をする気力も失せてしまう,そういう状態のことです.
立ちっぱなし,動きっぱなし,それに緊張の持続からくるストレスの蓄積など,病院での仕事がハードだから,という面はもちろんあります.看護の現場では,しなければならないことはきりなくあります.当然,よく気のつくひとほど忙しくなります.しかし,〈燃えつき〉という現象が看護という現場でよく起こるその決定的な理由は,別のところにあるようにおもいます.
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