特集 障害は個性である—中途障害の受容と看護
[ケースカンファレンス]歩ける望みは捨てない
天野 節江
1
,
坂田 恵里子
1
,
八十浜 成人
1
,
高士 とし子
1
1国立身体障害者リハビリテーションセンター病院4階病棟
pp.804-809
発行日 1994年9月1日
Published Date 1994/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904628
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本誌 普通の生活をされている方が,ある日突然に事故ですとか重篤な病気によって,今までと違った生活を余儀なくされてしまった時,そこでは,看護婦(士)の存在が重要な役割をはたしているのではないかと考えます.今回は,若い患者の2例につきまして,どのような問題があり,それにどう対処し,どう解決したのかを検討いただき,障害と受容,そして看護婦(士)の役割について考えたいと思います.それでは最初のケースの紹介をお願いいたします.
八十浜 Hさんに対して,そろそろ入浴や排泄の訓練を始めましょうか,と勧めるんですけれども,「いや,ちょっと待ってください,私にはできない」という,訓練に対する積極性が非常に欠けていたのが印象的で,いつも看護サイドから後押しをしてやるんですけれども,本人が一歩下がってしまうということがありました.看護婦(士)に対する依存が非常に強いという印象を受けました.
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