連載 「おも★けん!」新任期でもできる!おもしろ健康教育のつくり方・4
恥ずかしさを捨てられない
伊藤 純子
1
,
高橋 佐和子
2
,
一般社団法人おもしろ健康教育研究所
1聖隷クリストファー大学看護学部
2神奈川県立保健福祉大学看護学科
pp.584-587
発行日 2020年7月10日
Published Date 2020/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201463
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緊張は突然に
小林君には,苦い経験があります。保健師実習で健康教育をした際,緊張で思考がフリーズして何も話せなくなってしまったことがありました。対象は乳幼児健診のため来所したママたちです。事前に十分に練習したのですが,当日の会場は子どもが走り回って落ち着かない雰囲気だった上に,それをイライラとたしなめるママたちの姿を見たとたん,突然,頭の中が真っ白になってしまいました。その場は指導保健師のフォローで,なんとか最後までやり遂げることができたのですが,それ以来,乳幼児健診での健康教育に苦手意識を持ってしまったのです。
「今は学生ではないのだから,プロとしてしっかりしなくてはいけない」と思うのですが,期日が近づくにつれてだんだんと気が重くなっていく小林君。冴えない表情の小林君を見て,長原さんが声を掛けました。
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