母もわたしも助産婦さん
呑気な二代目の悩みと望み
立野 敦子
pp.18-19
発行日 1966年9月1日
Published Date 1966/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203256
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北海道出身の由か,母はフロンティア精神が旺盛で,数多くの困難や苦労にもめけず,それを乗り越え,切り開いてきました.明治生まれですが,先児の明ありで,昭和の私にもちょっとおよびません.もっともそれだけになるには母の年齢にならなければなりませんが.道産子三世の私は在京の方が長いので"Boys be ambitious"は精神的にも年齢的にも,遠く薄い存在になってしまいました.
母は以前長い間勤務していた病院のクリスマス祝賀会に招かれ楽しい一時を過させていただきます.キリスト教系の病院なので,愛と奉仕の精神が根底にあるのでしょう.少し古くなった言葉ですが,根性のある人が多いようで培われた精神的支柱をバックに活躍しておられます.信仰の有無にかかわらず根性を養成してくれたようです.地域の信望を集めて仕事をしている方々をみて,強い信念と広い愛の精神が繁栄をもたらしているものと思っていますが母のまわりにはそういう人たちのつながりで,暖かい雰囲気を感ずるのです.
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