ニューヨーク留学記・9
アメリカにおける交換ナースの現状
稲岡 文昭
1,2
1神奈川県立芹香院
2ニューヨーク大看護学科
pp.88-89
発行日 1968年12月1日
Published Date 1968/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914243
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“いろいろな苦労のなかでも言葉の通じない国でのそれは想像以上だ”とか,“苦しさで泣ける時はまだ余裕があるのだ,とにかく泣いてなんかいられないのだ”とか言っていたのが,いつのまにかニューヨーク生活も12か月,このコースも終わりに近づき,ほっと一息つきたいところですが,最後に残されたシンポジウム(今年のテーマはTherapeutic communication in action in cancer nursing癌看護における治療的コミュニケーション)の準備のため,いまだに開放されず,相変わらず忙がしい毎日です。
昨年8月,交換ナースとして渡米が正式に決定したある日,数人のナースから,現在の日本は看護者不足で四苦八苦している状態なのに,勉強のためとはいえ,あえてアメリカまで行く必要があるのだろうか。聞けばこの制度はアメリカのナース不足を補うためにつくられたものだと批判的な人もいるのに,矛盾を感じないのか,と鋭い質問を浴びせられ,一瞬返事にとまどったことがあります。
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