フロントライン 2002 感染防止
クロイツフェルト・ヤコブ病感染防止対策と看護の要点
彦坂 蔦枝
1
,
黒木 朝子
1
,
宇佐美 康子
1
,
伊藤 由紀
1
,
門井 貴子
2
,
須賀 京子
2
,
藤井 徹也
2
1名古屋第二赤十字病院
2愛知県立看護大学
pp.852-858
発行日 2002年9月1日
Published Date 2002/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904038
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クロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob disease;以下,CJD)は,プリオンタンパクが感染性を持つアミロイドとして脳内沈着するプリオン病の1つである.症状としては痴呆,ミオクローヌス,失調症状などで発症し,数か月で無動性無言状態となり,知的機能障害出現後の生存期間は約1年間である.現在のところ治療方法は確立されていない予後不良な疾患である1,2)(表1).
近年,CJDは増加傾向にあるため,ケアを行なう機会も多くなると考えられる.しかしながら,感染防止対策を踏まえたCJD患者の看護についての報告は数例を認めるのみである4,5).このことから,CJDの最新の情報を踏まえた感染防止対策と看護実践の報告にもとづき検討を行なうことは,今後の看護に大きな意味を持つと考えられる.今回,我々はCJD患者の感染防止対策専任チームを作り,チームを中心とした看護を実践し,当病院のCJD感染対策マニュアルを作成した.
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