Essay
リハ学生の“今”を斬る
石飛 道子
pp.864-866
発行日 2002年9月1日
Published Date 2002/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904040
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リハ校で哲学を教える
月日の経つのは早いもので,まだ数年にしかならないと思っていたのだけれど,数えてみるとどう勘定してもかれこれ6,7年は経ってしまったようだ.何の話かというと,わたしがリハビリテーションの専門学校で哲学を教えはじめてからである.
本当は,わたしの専門はインド哲学で,しかも論理学,つまり哲学全体から見ると,ほんの小さな辺境の領域である.インドといえば,みなさまご存じのとおり,あらゆる神秘に満たされた国,宗教のるつぼ,偉大なヨーガの行法を生み,仏教を生み,たくさんの神々が暮らす魂のふるさと,また,疲れた現代の人々を魅了してやまない精神的な風土である.そんなインドのイメージの中にしっかり浸った人たちから,「えっ,インドに論理学なんてあったんですか」と聞かれるのだが,何を隠そう,実はあったのである.
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