特集 病・障害と生きる—患者からのメッセージ
看護職として重度身体障害者を支援し続けることの意味—頸髄損傷者とその家族,および他の支援者とのかかわりを振り返る
森田 愛子
1
1神戸市看護大学短期大学部
pp.328-333
発行日 2000年4月1日
Published Date 2000/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903445
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はじめに
K氏は,1992年11月,上咽頭がんの放射線治療中に頸髄3〜4が障害された頸髄損傷者で,四肢麻痺に加えて,24時間人工呼吸器を装着して生活している41歳の男性である.彼は5年間の入院生活ののちに在宅に移行し,現在,約4年間にわたる在宅生活を継続中である.彼の家族は妻と3人の子ども,彼の母の6人で,主たる介護者は彼の母である.妻は昼間,一家の大黒柱として稼業に専念し,夜間は母とともに介護にあたっている.
私がケアマネジャーとして彼と家族の在宅生活の支援を開始してから,約5年になる.1995年5月から1998年3月までは,彼の住む広島県M市において(当時私はM市内にある県立H短大に単身赴任していた),その後私自身が神戸市に移転した1998年10月から現在までは,M市社会福祉協議会と県立H短大の教員の協力を得て,月1回の割合でM市に足を運び,支援を継続中である.
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