特集 病・障害と生きる—患者からのメッセージ
看護婦さんへの注文と期待
古跡 博美
pp.324-327
発行日 2000年4月1日
Published Date 2000/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903444
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
まさかの発病
山口県の田舎町に長男として生まれた私は,10年前,33歳で病に倒れるまで病気らしい病気もしたことがなかった.青年期には水泳,サッカー,野球,ソフトボール等々のスポーツと,グループサウンズ(特にベンチャーズ),フォーク,ロックなどの音楽を愛好し,ごく普通の青春を送っていた.高校卒業後,将来は経営コンサルタントを夢見て広島県三原市へ就職.どこで間違えたか(?),妻の実家である豆腐店の専務取締役におさまり,仕事にいそしんでいた.結婚後は2男1女に恵まれ,仕事も家庭も順調に運んでいるように見えた矢先に,身体の異常に気がついた.
1990年11月末のことである.時々,左目だけが動きが鈍いことに気がついた.翌91年1月には左目が動かなくなり,眼科を受診するも目には異常がないと言われ,他院を紹介される.MRI検査の結果,上咽頭に「何か」があることはわかったが治療法が見つからず,もっと大きくなって頭蓋内に入るようになったら手術をするということで,不安を覚えた.さらに1か月後の2月,広島の総合病院を紹介され受診,すぐに上咽頭腫瘍と診断され,そのまま入院した.4か月間の入院で放射線治療などにより,腫瘍はきれいに消えた.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.