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特集 ICT・デジタル技術で変わる人々の暮らしと作業療法支援
高位頸髄損傷・神経難病の重度身体障害者へのICTを活用した作業療法
Occupational therapy using information and communication technology for severely physically disabled patients with high cervical spinal cord injury and neuropathy
河津 聡
1
Satoru Kawatsu
1
1大阪府立病院機構 大阪急性期・総合医療センター
pp.236-240
発行日 2023年3月15日
Published Date 2023/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203305
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Key Questions
Q1:ICTの進歩で何が変わった?
Q2:ICTで重度身体障害者ができることは?
Q3:作業療法士のICT活用支援の強みは?
はじめに
Information and Communication Technology(ICT)が進歩する以前,高位頸髄損傷・神経難病の重度身体障害者は,残存するわずかな動きで重度障害用意思伝達装置(以下,意思伝達装置)や環境制御装置等の支援機器を使用して意思疎通を行い,家電製品や電動ベッドを操作して日常生活を送っていた.支援機器は「身体障害者福祉法」によって給付の対象とされていたため,給付の対象外で支援機器を必要としている対象者には自費で購入をしていただくか導入を断念するかで支援の幅が限られていた.
現在,スマートフォンやタブレットの情報通信機器を持つ人が増え,それらの機器にアクセシビリティ機能が搭載されたことで,身体の残存したわずかな動きでスマートフォン等を操作することが可能となった.また,頸髄損傷・神経難病の重度身体障害者に便利な支援アプリのソフトウェアも増えてくることで,使い慣れたスマートフォン等で意思疎通や家電製品の操作ができるようになり,身体障害者福祉法の枠を超えたICT機器の導入が可能となった.それに伴い,OTが行うICT活用支援は,意思伝達装置や環境制御装置を利用した支援機器の支援にとどまらず,スマートフォンやタブレット等,身近にある情報通信機器を用いたICT機器への支援にも広がりつつある.
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