Japanese
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特集 リハビリテーション機器
重度身体障害者のための環境制御装置について
Environmental Control System for the Severely Handicapped.
畠山 卓朗
1
,
安藤 徳彦
1
,
土屋 弘吉
2
Takuro Hatakeyama
1
,
Norihiko Ando
1
,
Kokichi Tsuchiya
2
1神奈川県総合リハビリテーションセンター
2横浜市立大学整形外科
1Kanagawa-ken Sogo Rehabilitation Center.
2Yokohama City University, School of Medicine
キーワード:
環境制御装置
,
重度身体障害者
,
日常生活動作
Keyword:
環境制御装置
,
重度身体障害者
,
日常生活動作
pp.767-771
発行日 1979年10月10日
Published Date 1979/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104215
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まえがき
どのような種類の障害者であっても,日常生活動作は自立していなければならず,そのためには移動は独立で行なえなければならない.それが達成されないようでは,どんな優れた治療もその大半が無に帰してしまうことを私達はしばしば目にする.そのようなことがないように最大限の努力を傾注するのが,リハビリテーションの立場である.しかしながら,これらの努力にもかかわらず,重大な障害を残した障害者に対しては別の手段をもって,日常生活の自立性を保障することが必要となる.リハビリテーション機器と呼ばれる工学系の技術を応用した最近の優れた数多くの器具の利用価値は,このような場合に極めて高いということができる.
これらの機器をその駆動する部分によって分類してみると,障害のある身体を動かして環境に働きかけるsystemと,環境の側を直接動かして目的を達しようとするsystemとに2大別することができる.前者は駆動力源と駆動部分を身体外に装着するいわゆる体外力源型動力装具1)と,身体表面または内部に刺激装置をつけて神経,筋を刺激し筋肉を収縮させて目的の動作を行わせるsystem2~4)に分類される.また後者は環境そのものを動かして目的を達しようとする環境制御装置5~7)と,動力によって人体の手と同じ機構をもったmanipulatorと呼ばれるもの8)や,足の代りをはたす電動車椅子などによって環境を操作するsystemとに分類される.いずれも最近の優れた機械,電子工学の進歩によって近い将来,長足の進歩を遂げることが期待されるものである.
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