連載 世界の感受の只中で・13
リハビリ・1
天田 城介
1
1立命館大学大学院先端総合学術研究科
pp.446-450
発行日 2008年5月1日
Published Date 2008/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101265
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「この本は2006年度に行われた,政府による診療報酬改定に端を発した,リハビリテーション医療(リハビリ)打ち切り反対闘争の,私の論説を集録したものである.リハビリを続けなければ,社会から脱落するもの,生命の危険さえあるものにたいして,医療を打ち切るというむごい制度改悪に私は怒った.(中略)国民皆保険以来始めての,医療保険からの患者切り捨てである.今回設けられた日数制限により,長期のリハビリ医療を必要とする多くの患者は,保険診療の対象からははずされることになるのだ.回復を断念せざるを得ない./これは,世界が羨む国民皆保険を達成した日本の,医療制度の根幹を揺るがす問題である.このまま医療制限が続けば,早晩公的医療保険は崩壊する.(中略)だからこの問題は,リハビリという一部の人だけが直接の関心を持つ医療問題ではない.この国の医療と福祉の未来,ひいては弱者の生存権までかかった,重要な問題なのである.」
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