連載 世界の感受の只中で・9
ケア・2
天田 城介
1
1立命館大学大学院先端総合学術研究科
pp.64-69
発行日 2008年1月1日
Published Date 2008/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101190
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「もしこの世界が生命で充ち満ちていて,しかしあなたや私のように人称で呼びかけられる存在者たちがいなかったら,私たちはいったい〈誰〉のために考えればよいのだろう.倫理にとって重要なのは『生命』でも『いのち』でもない.そうではなくて,私たちが互いに呼びかけあうとき,あるいは呼びかけようとするときに,その呼びかけが差し向けられるべき点としての〈誰か〉であり,そのような〈誰かが生きている〉という事実こそが,守るに値する唯一のものなのだ.」(加藤 2007:28)
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