連載 世界の感受の只中で・10
ケア・3
天田 城介
1
1立命館大学大学院先端総合学術研究科
pp.154-158
発行日 2008年2月1日
Published Date 2008/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101208
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「はっきり分かったのは,今の日本が老人福祉では非常に遅れていて,人口の老齢化に見合う対策は,まだ何もとられていないということだけだった.もともと老人は希望とも建設とも無縁な存在なのかもしれない.が,しかし,長い人生を営々と歩んで来て,その果てに老耄が待ち受けているとしたら,では人間はまったく何のために生きたことになるのだろう.あるいは,彼は,もう終った人間なのかもしれない.働き,子孫を作り,そして総ての器官が疲れ果てて破損したとき,そこに老人病が待っている.」
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