連載 世界の感受の只中で・8
ケア・1
天田 城介
1
1立命館大学大学院先端総合学術研究科
pp.1110-1114
発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101171
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
「看護の歴史を通して,看護師は,増え続ける医療提供職種のなかの『とくに区別のできないその他』に属するものとされてきたのだ.看護は,それが看護の仕事だとは必ずしも思わないが,誰かがしなければならない仕事で,看護師以外にそれをする人がいないか,それをやりたがろうとする人がいない余りものの仕事を引き受けるがゆえに,残り物の領域として取り残されているのだ.また,看護は患者と病気,患者と医師,患者と機械,そしてその他の『分類されている領域』の“狭間”に位置しているという特徴のために『ハイブリッド(雑種)な業務』にとどまっているのである.看護師はサイボーグやハイブリッドなので,『曖昧な存在』なのである.看護師が『医療の中のはっきりと名目によって区別された領域間の……境界線を乱す』存在であることは,看護によって好機も脅威ももたらすことになる」(Sandelowski 2000=2004:317)
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.