連載 世界の感受の只中で・15
病い・1
天田 城介
1
1立命館大学大学院先端総合学術研究科
pp.614-618
発行日 2008年7月1日
Published Date 2008/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101292
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「本書は,病む人々を傷ついた物語の語り手として描き出そうとするものである.私は,病いについての支配的な文化的観念が,受動的なもの――病む人を病気の『犠牲者』,ケアの受け手としてとらえる見方――から能動的なものへと移行することを願っている.病む人は,病いを物語へと転じることによって,運命を経験へと変換する.身体を他の人々から引き離す病気が,物語の中では,互いに共有された傷つきやすさの中で身体を結びつける苦しみの絆となる.」(Frank 1995=2002:3)
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