特集 クレーマーを“つくらない”患者対応の極意
クレームはスタッフ教育の好機!―クレーマー化の瞬間を見極める
阿部 邦子
1
,
吉村 薫
1
Kuniko Abe
1
,
Kaori Yoshimura
1
1守山市民病院
pp.39-41
発行日 2008年1月1日
Published Date 2008/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101183
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医療現場のクレーマー
書店のビジネスコーナーにはクレーム対応に関する書物がずらりと並んでいる.著者のほとんどがホテルやデパート,企業などのクレーム担当経験者である.本の内容は自身の豊富な経験から得られた知識の集大成で,「クレームは宝の山」「クレームはラブレター」など目次を見ているだけでも面白い.ポジテイブな発想や言葉が多く,そこには捉え方ひとつでどんなクレームでも楽々と解決しそうに書いてある.
確かにクレームの捉え方や,クレーマーとの向き合い方において,誠意をもって苦情を十分に聞くことが重要であるのは確かだろう.しかし医療の現場においては,入院期間中,ずっとクレーマー(患者)に悩まされることがある.すべてではないが,患者によって苦情に十分耳を傾け誠意をもって対応しても,納得してもらえないことがたびたびある.親切に受容的に接すればするほど,患者の苦情や要求がエスカレートし,問題解決の糸口が見えなくなってしまう.
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