特集 患者さんの治る力を引き出すリラクセーション法のススメ
リラクセーション法を体験して―患者の声
小板橋 喜久代
1
1群馬大学医学部保健学科
pp.32-33
発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100266
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どのような患者がどのような状況の時に,リラクセーション法を紹介し,使っていくべきなのか,試行錯誤の毎日である.外来受診者は自ら希望して訪れるが,入院中の患者の場合には,看護師サイドの意図「現在の状態にどのように変化を起こしたいか」「どのような生活を体験してほしいか」といった積極的健康の見直しのための働きかけがまず試みられる.
また,リラクセーションの効果を何らかの形で患者さんにフィードバックし,さらに主体的に長く取り組んでいってもらいたい.そのため,生理的反応を非浸襲的に測る器機として,バイオフィードバックで使われる簡易皮膚電気抵抗測定器や筋電計,末梢皮膚温計や心拍変動フィードバック計などがある.
しかしこうした測定値以外にも,患者本人の声を知ることは大変参考になる.患者自身が自分の中の変化に気づいて「これで大丈夫!」という気持ちを持ち,実際にいくつかの生活場面で役立てる体験ができるようになるのである.そして,「以前だったら,こんな時は息苦しくなり,落ち込んでしまって外出できなかったのだけれど……今は大丈夫」と振り返ることができるようになって内省報告を聞かせてもらえたとき,外来担当者としてリラクセーション法指導の成果を感じ取ることができる.
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