特集 患者さんの治る力を引き出すリラクセーション法のススメ
リラクセーション法のエッセンス
小板橋 喜久代
1
1群馬大学医学部保健学科
pp.16-19
発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100263
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リラクセーション法指導に臨む姿勢
人は誰でも,言葉では表現できない何かを持ち,言葉を尽くしても伝えきれない何かに直面する.それが心地よいもの・心地よい感情的体験として記憶されるならば問題ないが,逆に,怒りや悲しみといった興奮・驚愕・抑圧などの苦痛体験として繰り返し蓄積・記憶されていくと,こころと身体のバランスを崩して機能変調を引きおこす.この状態では,夜中でも自分を休ませることができず,いつまでも酷使してしまうことになる.そのようなとき,まずはリラクセーションを通してこころの緊張が身体に残余緊張を引き起こしていることに気づいてもらうよう指導する.
気づくことはリラックスの始まりである.軽く目を閉じて身体の中に意識を向け,一息一息に心を向けてみる.そうして,「気持ちの持ちよう(意識の向け方)で身体を楽にすることができる」ことを体験してもらう.この体験が得られると,自ずとこころの環境が整ってくるのである.
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