特集 おなかの病気を診る〜機能性消化器疾患への誘い—つらいおなかの痛み、張り、下痢、便秘への処方箋
【機能性消化管障害の非薬物的治療】
❹自律訓練法・リラクセーション法
篠崎 雅江
1
1さがみ緑風園診療所
キーワード:
過敏性腸症候群
,
自律訓練法
,
自己催眠
,
副交感神経優位
,
受動的注意集中
Keyword:
過敏性腸症候群
,
自律訓練法
,
自己催眠
,
副交感神経優位
,
受動的注意集中
pp.804-806
発行日 2025年7月15日
Published Date 2025/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350070804
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CASE
患者:30代前半、男性。
職業:会社員
診断名:過敏性腸症候群(IBS)
主訴:腹痛、下痢
生活歴:大学卒業後、7年前に技術系正社員として就職した。2年前に新規事業立ち上げのメンバーに選ばれ、業務量が大幅に増えた。毎日変わる方針に振り回され、残業が月90時間を超える日が続いた。
現病歴:半年前から出勤時に腹痛を感じるようになり、我慢できずに電車を途中下車してトイレに駆け込むことがしばしばあった。便性状は水様便で、排便回数は1日5〜6回に増えた。近隣の内科クリニックを何カ所か受診したが異常なしと言われた。四六時中腹痛と排便のことが頭から離れず、通勤は各駅停車しか乗れなくなった。睡眠時間が激減し、休日は疲労と不安で部屋から出られず、趣味の水彩画も描かなくなった。心配した同僚が受診を勧め、当院受診に至った。

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