新連載 ナースの安全を守るモノがたり①
職業感染を減らすために―針刺し防止機構付き静脈留置カテーテル「BDインサイトオートガード」
細見 由美子
1
1日本 BD
pp.292-293
発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100062
- 販売していません
- 文献概要
看護師による静脈注射と「安全」
2002年に厚生労働省から「看護師等による静脈注射の実施について」の通知が出され,「看護師等による静脈注射の実施は診療補助行為の範疇」として取り扱うものと変更されました.この背景には,静脈注射を安全に実施できる看護師の知識・技術の向上が認められたことがあり,看護師は,医師の指示のもとであっても,安全を確保できるという自らの実施能力と責任能力に鑑み,できることとできないことを自らが判断し,業務を実施できる能力があると認められたことになります.看護師が専門職として信頼に応え,患者さんの安全を守るためには,ナース自身の安全性が守られることも重要となります.
針刺しによる感染リスクと予防策
医療従事者が職業上HIV感染した初めての報告は,1984年にイギリスの病院でリキャップ時に発生した針刺しによるナースの事例です.1回の針刺し損傷による感染リスクは,HIV 0.3%,HCV 1.8%,HBV 6.30%といわれています.感染リスクがゼロではないことから,被災した本人にとっては感染するかしないか,すなわち0か100かという深刻な問題であることを認識し,正しい知識に基づいて針刺し対策を実践することが求められています.
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.