特集 基本から見直そう! 感染予防6つのポイント
「針刺し事故・職業感染予防対策」を見直す
池上 美保
1
1大阪府立千里救命救急センター
pp.436-442
発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100715
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一般的に,看護師は患者がいかに安楽に処置を受けることができるか,または,感染症をいかに防止できるかという点においては,比較的熱心に取り組む.しかし,自身の身を守るということについては,二の次となり無防備さがめだつ.たとえ自身が針刺しに遭遇しても「たまたま運が悪かった」「不注意だった」という認識を持ってしまいがちである.筆者も感染管理看護師(ICN:Infection Control Nurse)となる前までは,予防らしい予防はできていなかった.このような認識を変えていくことは,容易なことではない.
感染管理の実践者・専門家は,医療従事者の職業感染予防のために,個々の意識改革ができるよう教育・啓発活動を実施していくとともに,現場のリスク低減に向けて使用器材や実施方法の見直しを行ない,また,見直したことを評価し,針刺し,切創などの減少につなげていくべきである.
以下に,針刺し・切創,血液・体液曝露による職業感染予防対策について述べる.
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