新連載 周手術期の臨床看護判断を磨く 手術侵襲と生体反応から看護援助を組み立てる①
手術侵襲と生体反応のおさらい
鎌倉 やよい
1
,
深田 順子
1
1愛知県立看護大学
pp.368-373
発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100063
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
連載を始めるにあたって
法律上,看護師の業務は,療養上の世話と診療の補助であると規定され,看護学は生活の援助を看護の独自の方向として位置づけてきた歴史があります.しかし今日,入浴,排泄,食事など日常生活の援助を担う専門職として介護福祉士が誕生しました.一方,診療の補助として委任される医療行為については,医師の指示があったとしても,実施者責任が強く求められるようになってきました.看護を取り巻く環境は大きく変貌しています.
このような視点で臨床を眺めると,看護師は医療の知識と技術を駆使して患者の生活を援助していると言えます.看護師にとって,医療行為と生活の援助は分離できないものになってきました.これらの状況をふまえて周手術期の看護を考えると,安全・安楽な術後経過であるかを判断する能力,適切に対処する能力が求められ,これらをとおして術後患者の生活を援助することになります.看護師は,経時的に患者の状態を観察し,身体内部の変化を推測しますが,その結果に基づき最良のケアを提供しなければなりません.その1つひとつが判断の連続です.この臨床判断能力を育成することが重要であり,課題です.
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.