特集 周産期ケアの地域システム化
大阪における周産期医療の地域化10年の歴史と今後の課題
末原 則幸
1
1大阪府立母子保健総合医療センター産科
pp.404-411
発行日 1998年5月25日
Published Date 1998/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901934
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
大阪における産科救急の歩みとOGCS発足まで
大阪における産科救急の歩みは,昭和40年代に行なわれた妊産婦死亡の実態調査に始まりを見ることができる。実態調査は,大阪における妊産婦死亡の減少を願ってのことである。昭和52年大阪産婦人科医会で産科救急問題を最重点課題とする方針が決定された。折しも,昭和52年9月には在阪7病院から構成される新生児診療相互援助システム(以下,NMCS)がスタートした。その後,産科救急受け入れ病院のリストアップや,産婦人科救急医療実態調査など,数多くの調査や協議が重ねられ,昭和60年5月には病診連携と産婦人科救急対応を目指した産婦人科診療相互援助システム(Obstetrical Gynecological Cooperative System:OGCS)構想が打ち出され,昭和62年4月にはOGCSが発足した。
一方,大阪の産科医療の核となる施設として,昭和53年には大阪市立母子センター,昭和56年には大阪府立母子保健総合医療センターが診療を開始していた。
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.