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胃癌化学療法はmitomycin C(1955年),5-FU(fluorouracil,1957年),tegafur(1966年),adriamycin(1967年)といった有効薬剤の登場によってその端緒を開いた(第一世代).1979年にはMacdonardがこれらの有効薬剤を組み合わせたFAM(5-FU+adriamycin+mitomycin C)療法を開発し,45%という当時としては驚異的な奏効率を報告したが,その後の再現性に乏しく信頼性は疑問とされた.1980年代に入ると,5-FUの体内代謝を修飾して効果の増強を図るbiochemical modulationが開発され,UFT(tegafur・uracil),MTX(methotrexate)+5-FU,5-FU+LV(Leucovorin)などの治療法が登場する一方で,cisplatin(CDDP)の導入に伴って,FP(5-FU+CDDP),FAP(5-FU+adriamycin+CDDP),FMP(5-FU+mitomycin C+CDDP)などの第一世代薬との併用療法やさらには肺癌の治療レジメンであったEAP(etoposide+adriamycin+CDDP)療法などが開発された(第二世代).その結果,50~70%と極めて高い奏効率が得られるようになったが,いずれも生存への寄与に乏しく課題を残した.1990年代に入ると5-FUの新たなbiochemical modulationとしてTS-1が,またCDDPとの併用療法ではirinotecan(CPT)が登場する中で,新たな作用機作を有するタキサン系薬剤〔Taxol; TXL(paclitaxel),Taxotere; TXT(docetaxel hydrate)〕の有効性が確認され,現在に至っている(第三世代).
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