特集 新しい周産期記録のあり方
周産期の情報処理について—大阪府立母子保健総合医療センターの場合
末原 則幸
1
1大阪府立母子保健総合医療センター
pp.117-125
発行日 1991年2月25日
Published Date 1991/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900260
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はじめに
大阪府立母子保健総合医療センターは大阪府における母子保健医療推進の技術的中核として機能するために設立され,日々地域医療機関よりの母体搬送を受け入れている。1989年,当センターにおける母体搬送の割合は約50%であった。母体搬送理由としては産科既往異常,内科合併症,切迫流早産などであった。その中でも特に緊急を要する症例については,緊急母体搬送として通常の外来診療とは別の窓口を設け患者の受け入れを行なっている。このような症例は搬送症例の約25%を占めていた。緊急母体搬送の理由は,前期破水・切迫早産・胎児の異常など未熟児やハイリスク新生児出生と関連のある症例の他,妊娠中毒症・各種合併症・妊娠中の異常など多岐にわたっている。
このような周産期センターにおいては,いま行なおうとしている診療に必要な情報を迅速に集めることが大切である。また現在行なっている診療の結果もその直後の診療に欠かせないため,正確な診療の記録が大切となる。
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