産科内分泌学入門・5
薬物による分娩誘導法
安水 洸彦
1
,
加藤 順三
1
1山梨医科大学産婦人科
pp.672-677
発行日 1983年8月25日
Published Date 1983/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206292
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分娩発来のしくみにはまだまだ不明の点が多いことは前号までの「基礎編」で明らかである。分娩そのものは「実った果実が木から落ちる」がごとく,各個人の生物時計に従って始まり,そして終了する。分娩発来機序が完全に究明されていない限り,分娩そのものは自然にまかせるのが最善であることは論を待たない。
しかしながら,産科学の臨床では「白然」尊重論のみで終わるわけにはいかぬ。「自然にまかせる」ならば,当然その帰結も「天に帰す」ことになる。近代産科学が血のにじむような努力で向上させてきた周産期死亡率,罹病率も一挙に「自然淘汰」のレベルまで落ち込んでいくだろう。
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