産科内分泌学入門・4
妊娠の維持と分娩の発来[3]—分娩の発来──分娩現象とプロスタグランディン
安水 洸彦
1
,
加藤 順三
1
1山梨医科大学産婦人科
pp.590-595
発行日 1983年7月25日
Published Date 1983/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206275
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最後の切札
胎児からの信号(胎児下垂体—副腎系の成熟)
に始まり分娩へと導くあざやかな内分泌連鎖はヒ
トでは観察されない。一筋の光明が消えて,再度
研究者達は暗闇の中に引き戻された。
こんな時にはアプローチの方法を変えてみるの
が上策。「押して駄目なら引いてみる」である。
一般に医学・生物学分野の研究手段として2つの
道がある。1つは理論医学とでもいうべきもの
で,頭の中である「理論」を創り,それを実験に
よって証明していく方法。もう1つは目前にある
事実をまずとらえ,そこから発展していく方法で
ある。実際には,この両者が混在している場合が
多いが,実験計画の発想としてはおおむねこの2
つに大別される。
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