特集 食品公害と妊婦の食生活
食品の汚染と食品衛生
河端 俊治
1
1国立予防衛生研究所食品衛生部
pp.22-25
発行日 1973年9月1日
Published Date 1973/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204572
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1.食品の汚染という言葉について
食品の汚染というのは,本来食品の固有の成分以外の物質が付着したり混入することを意味している。しかし,調理,加工,保存の目的で加える調味料や食品添加物などは除外されている。そして汚染物としては,
生物性……微生物(細菌,カビ,コウボやその代謝産物)
化学物質……土壌,残留農薬,有害金属などに分類することができる。しかし,上記の汚染物が必らずしも有毒,有害とは限らない。狭義の食品汚染としては,環境由来の化学物質が食品に付着,混入することを意味する。ことに最近公害問題がやかましくなると,水質,大気,土壌などからの有害物質で食品が汚染されることに大きな関心が持たれるようになってきた。
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