対症看護講座 出血
妊娠時の出血
中嶋 唯夫
1
1日本赤十字社産院産婦人科
pp.10-14
発行日 1965年9月1日
Published Date 1965/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203034
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はしがき
妊娠時の出血には妊娠特有の疾患の一部分症として認められるもの,妊娠によって起こりやすい疾患の一部分症,全然妊娠と関係なく出血をみる場合などがあり,また直接母体の生命の危険を招く出血,あるいは疾患そのものが母体の生命を危くするもの,胎児の生命を摘みとるものなどの他に,妊娠,分娩にそれほど大きな影響を与えないで終始するものなどがありますが,妊婦にとって出血は精神的な影響が大きい点では,軽重がありません.
いかなる出血でありましても,早期診断,早期治療の必要なことは医道の根本原則ですが,症候上でなりおよその見当をつけ,予後を判定し,適切な指示を与える場合に話題をしぼって少し考えてみたいと思います.またこの際臨床的にしばしば見られる出血が実地医学として大切ですのでこのような面から話を進めてみたいと思います.
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