特集 分娩時出血--メカニズムとその対策
麻酔と分娩時出血
長内 国臣
1,2
Kuniomi Osanai
1,2
1横浜警友病院産婦人科
2慶応義塾大学医学部産科婦人科学教室
pp.773-776
発行日 1969年9月10日
Published Date 1969/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204092
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はじめに
昭和34年にわれわれは麻酔を用いた当院分娩例1216例と,麻酔を用いない関連産院の分娩例1172例の後出血量を比較したところ,算術平均は初産で麻酔例が278.7ml対照231.lmlで44.6mlの増加,また経産では麻酔例254.0ml,対照235.2mlで18.8mlの増加を認めたものであつたが1),この増加は臨床の実際には気のつかぬわずかな量であり,また,はたして麻酔のためかどうかも半信半疑であつた。
幸い,われわれの麻酔例も,この16年間(昭27〜42年3月)で連続1万例に達したので,これを産科因子と麻酔因子とにわけて統計処理し,報告するしだいである。
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