文献抄録
妊娠・出産時の出血/Eclampsia and Preeclampsia in Pregnancy
pp.911
発行日 1962年12月10日
Published Date 1962/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202715
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妊娠中肝破裂という報告22例を文献から展望するに,僅か6例が生き残つた。Salzmannの38才初妊,22週に肝破裂,生存に診断しえたが死亡・剖検で確かめた。こうした特発破裂は子癇ケイレンを伴う強い妊娠中毒が先行し,突然心窩部痛・著しいシヨック,昇圧剤不応として発来する。救われたものは妊娠中絶,中毒症状除去が成功したもので,こういう事態のあることを知っていて,診断を早く,たしかにし,診断されたら(或は疑あれば)開腹すべきである。
妊娠中の副腎出血は文献に37例ほどあり。Youngの症例は21才初妊婦,8箇月目に左上腹痛として来院,胎盤早期剥離を疑われ手術する。更に2週後,脾動脈瘤破裂を疑われ,再開腹して副腎出血と決定。本例は他の文献諸例のような副腎不全症状なし。
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