年間テーマ--診断から治療へ 出血
妊娠・分娩時の出血
堀口 文
1
Fumi Horiguchi
1
1獨協医科大学産婦人科学教室
pp.45-51
発行日 1975年1月10日
Published Date 1975/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205125
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妊娠および分娩時の出血はその種類や程度がさまざまで,一瞬にして母児の生命を奪うものから放置してもなんら差支えないものまで数多くあり,これを早急に鑑別し適切な処置をとることが要求される。しかし初心者や人手の少ない時はその対策に悩まされることがしばしばある。妊産婦死亡の原因としての出血が占める割合は昭和41年のわが国における統計では20.2%で,米国の約5倍できわめて多い(荻野博1971)。しかし最近はMEの利用により胎児および胎盤の情報が容易に得られるようになつたので産科領域における超音波診断法の臨床的意義は大きい。妊娠中における異常出血の診断および治療などは妊娠月数により異なるので妊娠の時期を追つて解説を試みたい。
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