補習講座
妊娠・分娩及び産褥時の異常出血
竹内 繁喜
1
1都立築地産院
pp.49-55
発行日 1958年3月1日
Published Date 1958/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201446
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Ⅰ.まえがき 「お産で怖ろしいのは出血だ」という言葉は昔から今に至る迄至言である.妊産婦死亡の原因は中毒症,分娩時出血,子宮外妊娠,産褥熱となっており,その数字の序列を昭和30年度の厚生省の統計報告から拾つて見ると,昭和29年度の妊産婦死亡率は18.5となっており,この内訳は中毒症によるもの7.1,分娩時出血によるもの5.1,主として子宮外妊娠である妊娠中の不慮の傷害によるもの3.0,産褥i熱によるもの1.0となつている.言う迄もなく子宮外妊娠の死亡は出血による死亡と見なしていいから,分娩時出血と子宮外妊娠による死亡を一括して出血による死亡と考えると,その数は中毒症による死亡と伯仲して来る.
一歩ひるがえつて,そんならこのような死亡は予防或は防止出来ないものだろうかを検討して見よう.
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