連載 認知症者・家族をさまざまな観点や立場から支えるコミュニケーションスキル・第13回
社会福祉士の立場から—一緒に時を過ごし,つながりを育む.専門職として何もしない勇気をもつ
山口 喜樹
1
Yoshiki Yamaguchi
1
1社会福祉法人名古屋市社会福祉協議会 名古屋市認知症相談支援センター
キーワード:
ピアサポート
,
本人ミーティング
,
診断後支援
Keyword:
ピアサポート
,
本人ミーティング
,
診断後支援
pp.981-986
発行日 2024年9月10日
Published Date 2024/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552203218
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はじめに
認知症の人(以下,本人)やその家族(以下,家族)を支援する社会福祉士の業務というと,医療機関や地域包括支援センターなどで相談に応じたり,介護支援専門員としてケアマネジメントを行ったり,虐待や権利擁護の場面などでスーパーバイズしたりという姿を思い浮かべる人が多いのではないだろうか.そこで用いられるコミュニケーションスキルとしても,本人・家族をアセスメントし,社会資源の情報教示や状況にあわせた接し方などがイメージされるだろう.
しかし本稿では,社会福祉士としてレクチャーしたり,相談に応じたりするのではないコミュニケーションのあり方について述べたい.具体的には,本人同士や家族同士など,同じような立場の人が情報交換し,交友を育みながら仲間同士で支え合うピアサポートの場における社会福祉士のスキルについて,筆者の実践を振り返りながら考察してみる.
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