【臨床小説】後悔しない医者|あの日できなかった決断・第23話
一緒に時間を過ごした医者
國松 淳和
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1医療法人社団永生会 南多摩病院 総合内科・膠原病内科
pp.260-265
発行日 2022年2月15日
Published Date 2022/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203620
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前回までのあらすじ 今月のナゾ
新年を前に、進路に悩む西畑は、週末を利用して、今度は1人で山梨県鰍沢の「白川診療所」を訪れた。白川鐘春は髪が白く染まる年の頃で、文字どおり何でも診る医者である。長年勤務医をしてから開院して6年、民芸品店を改装した古い学校のような雰囲気のこの診療所は、患者が引きも切らない。しかし、白川の外来はすぐ終わる。患者がすぐ得心して診察室を出ていくのだ。以前ここを共に訪れた黒野が「ちょっと先の未来が読めているのかもしれない」と評した(2021年1月号)、その独特な診療の秘密が明かされる…。
研修医や専攻医がいる現場において、「教える」ことは日常だ。その方法にはさまざまあり、効率的・効果的な教育メソッドやプログラムが日々試行されている。そうしたなかで、「臨床知」とか「暗黙知」と言われるような簡単には教えられないものは、いかに伝えられていくのだろう? 「教える」のとは別の方法とは?
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