Japanese
English
症例報告
同名半盲を残した2名の脳卒中患者に対するICF脳卒中コアセット包括版を用いた生活評価
Assessment of daily living using the ICF Core Sets for stroke for two patients with homonymous hemianopia after stroke
大西 康史
1
Yasushi Onishi
1
1新潟大学地域医療教育センター・魚沼基幹病院
1Uonuma Kikan Hospital
キーワード:
脳卒中
,
同名半盲
,
国際生活機能分類
,
参加と活動
,
自動車運転
Keyword:
脳卒中
,
同名半盲
,
国際生活機能分類
,
参加と活動
,
自動車運転
pp.973-979
発行日 2024年9月10日
Published Date 2024/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552203216
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要旨 [目的]脳卒中後に同名半盲を残した患者の生活変容を明らかにする.[方法]対象は脳卒中後に同名半盲を残した2名.症例1は59歳男性,脳出血,左同名半盲.症例2は55歳男性,脳梗塞,右同名半盲.対象に対して脳卒中用国際生活機能分類(International Classification of Functioning, Disability and Health:ICF)コアセット包括版より活動と参加の51項目について,実行状況と病前と比較した変化の自己評価を行った.またFunctional Vision Score(FVS)およびFVSに基づくAmerican Medical Association(AMA)class判定を行った.[結果]2例とも自動車運転は再開されなかった.症例1は運送業を退職し,再就職が達成され,バス利用の拡大,家計への関心の高まり,視野狭窄を意識した注意力の向上を認めた.症例2は仕事内容から病前の内容で復職し,健康への関心の高まりから,散歩への取り組みや食事の献立への配慮を認めた.その他のICFコードの実行状況は,対象者2名ともおおむね病前と同様だった.症例1のFVSは70,AMA class 2,症例2のFVSは82,AMA class 1だった.[結語]同名半盲は自動車運転を困難とし,復職など関連した活動に影響するが,生活全般の実行状況はおおむね保持され,視覚的な適応が図られると考える.
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