Japanese
English
研究と報告
右半球損傷患者の神経心理学的検査,ドライビングシミュレータ,実車評価と運転可否判定の関係
The relationship between neuropsychological test, driving simulator, on-road assessment, and fitness to drive for the patients with right hemisphere brain damage
外川 佑
1,2
,
佐藤 卓也
2
,
村山 拓也
2
,
櫻庭 彰人
3
,
﨑村 陽子
4
Tasuku Sotokawa
1,2
,
Takuya Sato
2
,
Takuya Murayama
2
,
Akihito Sakuraba
3
,
Yoko Sakimura
4
1新潟医療福祉大学リハビリテーション学部作業療法学科
2新潟リハビリテーション病院リハビリテーション部
3介護老人保健施設大館ひかり苑リハビリテーション科
4新潟リハビリテーション病院リハビリテーション科
1Faculty of Rehabilitation, Department of Occupational Therapy, Niigata University of Health and Welfare
2Department of Rehabilitation, Niigata Rehabilitation Hospital
3Department of Rehabilitation, Geriatric Health Services Facility Odate Hikari en
4Department of Rehabilitation Medicine, Niigata Rehabilitation Hospital
キーワード:
右半球損傷
,
半側空間無視
,
神経心理学的検査
,
ドライビングシミュレータ
,
自動車運転
Keyword:
右半球損傷
,
半側空間無視
,
神経心理学的検査
,
ドライビングシミュレータ
,
自動車運転
pp.373-379
発行日 2019年4月10日
Published Date 2019/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201615
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要旨 【目的】机上検査で問題が検出されず,ドライビングシミュレータ(driving simulator;DS)や実車評価で半側空間無視(unilateral spatial neglect;USN)由来の症状が顕在化する右半球損傷(right hemisphere damage;RHD)患者の神経心理学的検査,DS成績,実車評価上の問題と運転可否判定の関連性を明らかにすることである.【方法】自動車運転評価を実施したRHD患者20名を後方視的に調査した後,基本属性,神経心理学的検査,DSトラッキング課題を運転可能群・不可群の二群間で比較し,二群間比較で有意差を認めた項目についてReceiver Operating Characteristic analysis(ROC解析)でカットオフ値を算出した.さらに,先行研究をもとに抽出した実車評価上の問題の有無について二群間でχ2検定を実施し,その頻度を比較した.【結果】運転可能群と比較して,不可群におけるDSトラッキング課題の誤差率が大きく(p<0.05),ROC解析の結果,DSトラッキング課題の誤差率のカットオフ値は40.7%(感度85.7%,特異度84.6%)であった.また,実車評価の「走行全体の車線維持・車幅感覚不良」,「車庫入れや方向転換の失敗」,「走行全体の適正速度への調整不良」の問題も運転可能群に比べ不可群に多く認められた(p<0.05).【結語】RHD患者における軽度のUSNの問題は,DSや実車評価などの動的評価の活用により事前に検出できる可能性が示唆された.
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