連載 国際標準化機構(ISO)規格の動向・第5回
福祉施設におけるISOの活用
鈴木 康之
1
,
水野 敬生
1
Yasuyuki Suzuki
1
,
Takao Mizuno
1
1社会福祉法人一誠会
1Isseikai
キーワード:
ISO 9001
,
介護サービス
,
業務標準化
,
マニュアル化
,
顧客満足度の向上
,
継続的改善
Keyword:
ISO 9001
,
介護サービス
,
業務標準化
,
マニュアル化
,
顧客満足度の向上
,
継続的改善
pp.521-525
発行日 2022年5月10日
Published Date 2022/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202506
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はじめに
2000年4月の介護保険制度の導入によって,利用者自らが介護サービス事業者を選べるようになってから20年余りが経った.特別養護老人ホームなどは,措置制度の時代から今や完全に脱却し,利用者の声に耳を傾け,顧客満足(customer satisfaction:CS)や,個人満足(personal satisfaction:PS),すなわち,利用者一人ひとりの満足を得ることが,経営目標に移行している.
このことは,利用者に「選べる」環境を整え,介護サービス事業者にとっては,経営の安定のために,組織の効率的な運営と高品質なサービスの提供か必要になり,同時に利用者のサービスの質への感心の高まりとともに,その期待に応えなければならなくなったということができる.
このような介護を取り巻く社会の変化のなか,2003年度に本格的に導入された東京都福祉サービス第三者評価,2006年度に施行された介護サービス情報の公表制度など,第三者機関による客観的な評価,情報開示への関心も高まりをみせた.
また,その後社会福祉法人指導監査要綱において,「社会福祉法人の指導監査について,ISO 9001認証を受けている法人については,監査を4年に1回とする」との方針が示されるなど,ISO 9001への社会的認知,信用の高まりからも,介護サービス事業者のISO 9001認証取得が進んできたと推測できる.
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