Japanese
English
特集 複合性局所疼痛症候群とリハビリテーション
リハビリテーション医療の役割
The roles of rehabilitation medicine
韮澤 紀文
1
,
木村 慎二
1
,
栗原 豊明
1
,
山崎 遼
1
Norifumi Nirasawa
1
,
Shinji Kimura
1
,
Toyoaki Kurihara
1
,
Ryo Yamazaki
1
1新潟大学医歯学総合病院総合リハビリテーションセンター
1Rehabilitation Center, Niigata University Medical and Dental Hospital
キーワード:
運動療法
,
多職種連携
,
いきいきリハビリノート
,
QOL
Keyword:
運動療法
,
多職種連携
,
いきいきリハビリノート
,
QOL
pp.939-943
発行日 2021年10月10日
Published Date 2021/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202328
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はじめに
複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome;CRPS)の原因は未だ不明で,組織の損傷が治癒したにもかかわらず,疼痛が遷延するもので,一つの疾患というよりはむしろ病態として捉えることが望ましい.複数の誘因が関与している場合が多く,またそこから予想される程度や範囲を超えた症状を示すこともしばしば経験する.個々の症例に対して,早期診断と集学的な治療が重要と報告されている1).
CRPSという用語は,1994年に国際疼痛学会(International Association for the Study of Pain;IASP)で示された.この症候群は以前,反射性交感神経性ジストロフィーとして知られていたCRPSタイプ1と,カウザルギーとして知られていたCRPSタイプ2に分けられていた.どちらのタイプも通常は外傷後などに発症するが,重要な相違点は,明確な神経損傷がタイプ2に存在し,タイプ1には存在しない点である2).ただし,この2つのタイプを区別することは,臨床的意義が乏しいと考えられている.
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