Close-up 医療現場に活かすためのコンサルテーション入門
医療におけるコンサルテーションの構造と役割
平井 啓
1
Kei HIRAI
1
1大阪大学大学院人間科学研究科
キーワード:
理学療法士
,
医療コンサルテーション
,
多職種連携
,
生物心理社会モデル
,
包括的アセスメント
Keyword:
理学療法士
,
医療コンサルテーション
,
多職種連携
,
生物心理社会モデル
,
包括的アセスメント
pp.589-593
発行日 2025年5月15日
Published Date 2025/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520590050589
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コンサルテーションの基本と理学療法士のかかわり
医療の高度化・専門化が進むなかで,理学療法士に求められる役割も多様化している.2022年度より新たな生涯学習制度が開始され,理学療法士には「ジェネラリストとしての資質を兼ね備えた上で専門性を発揮すること」1)が求められるようになった.また,集中治療領域のように「安全かつ効果的に進めるためには,多職種によるチームアプローチが必要不可欠」2)な場面での活躍も期待されている.こうしたなか,理学療法において効果的なコンサルテーションの重要性が高まっている.
医療におけるコンサルテーションは,コンサルティとコンサルタントという2つの役割により構成される3).コンサルティとは,コンサルタントに対して相談・依頼をする人であり,コンサルタントはその相談・依頼に対して自らの専門性をもとにして応える人のことである.理学療法士は,症例に応じてコンサルタント,コンサルティのいずれの立場にもなり得る.例えば,運動器疾患の症例において整形外科医からリハビリテーションについての相談を受ける際にはコンサルタントとなり,一方で,がん患者の症例において緩和ケアチームに助言を求める際にはコンサルティとなる4).

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