連載 チーム医療を支えるリハビリテーション看護・第4回
がんリハビリテーション看護の役割と課題
宗定 水奈子
1
Minako Munesada
1
1東京純心大学看護学部看護学科
1Faculty of Nursing, Tokyo Junshin University
キーワード:
がんリハビリテーション
,
がん看護
,
多職種連携
Keyword:
がんリハビリテーション
,
がん看護
,
多職種連携
pp.99-103
発行日 2025年1月10日
Published Date 2025/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698220530010099
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はじめに
がんの治療や療養のプロセスは,「診断期」,「初期治療期」,「慢性期」,「進行・再発期」,「終末期」の5期に分けられる(表)1).それぞれのプロセスにある患者と,その影響を受ける家族や親しい人を含めて「がんサバイバー」と呼んでいる2)(本稿では,主にがん患者を指す語として使用する).
日本におけるがん全体の罹患数は男女とも増加傾向であり,「がんの統計2024」3)によると,2023年がん罹患数予測では約103万4,000例と2022年からさらに1万5,000例近くの増加が予測されている.日本人の2人に1人ががんと診断される時代だが,治療は確実に進歩しており,5年相対生存率は1993〜1996年4)が49.2%であったのに対し,2009〜2011年5)では64.1%と約15%増加し,がんは慢性期疾患と位置づけられるようになった.このように,治療や療養のプロセスが長期化したことで,がんサバイバーの人口は年々増加している.さらに,著しい高齢化の影響を受け,2025年以降にはがんサバイバーの45%を後期高齢者が占めることが予測されている.
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